最小侵襲手術の問題点として、まず第一点は、新しい手術器具を使うために専門のトレーニ ングが必要で、術者の熟達によって治療成績が大きく異なることです。
第二点は、手術野が狭く視野が悪いため、組織の損傷や穿孔などの思わぬ結果を招く可能 性があることです。従って、患者様に対しては最小侵襲手術の長所のみならず、短所、つま りテクニック センシティブ(熟練が必要な繊細)な術式であることも十分に伝える必要があ ります。
最近では、慈恵大学での医療事故などがありましたが、新しい治療法は専門知識と治療経験が大変重要なのです。
たとえばインプラントの治療を受けるのであれば、少なくとも年間100本以上の症例数をこなしている歯科医が望ましいと思います。インプラントの治療は、ようやく知られてきたとはいえ、歯科医が行える治療法としてはまだ一般的ではありません。
さらに、インプラント治療には高価な機材や手術機械、心電図などの血液モ ニター、インプラントのスペアを含めた在庫など、金額的に専門医しか揃えることができない材料や機材が必要になるのです。月に1回程度しか手術がない歯科医師とスタッフでは経験豊富とはいえず、最高の仕上がりを要求することは無理があります。また、インプラント治療は日進月歩で、旧態依然とした10年前の術式で行うことは許されません。
きちんと手入れをすれば、一生涯その人工歯を使うことになるのですから、安くて早い治療だけでなく、安全で確実なことは当然として、高い専門知識を有し経験豊かな歯科医に診てもらうことが大切なのです。
