口腔心身症の背景

Posted by admin on 1月 19, 2012
最新の治療法

豊かで平和な世になってくると清潔志向が強くなるためか、口臭を気にして歯科へ来院さ れる方が増えています。この病気は医師からみると取るに足らない症状であるようでも、 本人にとっては、社会的存在を許されるか否かというほどの深刻な問題になることがあります。以前は口のなかの病気に由来する口臭と、内臓疾患に由来する口臭に大別されていましたが、最近では他覚的に不快な臭いがあろうが、なかろうが、本人が自覚していれば、それを総称して口臭と呼んでいます。

実は、口臭は心身症の始まりで、その症状の裏には心の病が隠されています。本当に口臭のある患者様の80%以上は、口のなかに原因があるといわれています。虫歯や歯周病、入れ歯による口臭、ドライマウスで口のなかが不潔になって起こる口臭などです。それ以外の原因で起こる口臭には胃や肺の病気などが考えられてきましたが、これらが原 因になることは稀なのです。

虫歯や歯周病が原因の場合は、完璧に治療すればいいわけですし、入れ歯による口臭もほとんどが日常のケアをしっかり行うことで解消します。

しかし、口臭を訴えて来院する方には特に医学的な異常所見が認められず、口のなかの清掃状態も非常に良好で、客観的に口臭が認められない場合があります。このような患者様を自臭症といい、口臭を訴える方の80%以上が自臭症なのです。嗅覚は人間の特殊感覚のなかで、もっとも順応の早い感覚です。私たちが自分の口臭を自分で評価することは現実的に不可能ですが、それでも自分の身体から悪臭が発散していて他人に迷惑をかけているという恐れを抱いたりするのは、臭いそのものよりも、良好な人間関係を築けなくなっている対人障害が背景にあるからです。

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